【ご報告】タワーサウナのセッティングについて

当館は2021年に閉館した前施設(旧水戸ゆらいや御老公の湯)の設備を引き継ぎながら、全面的に改装リニューアルを行っております。

高低差のある8段タワーサウナは前施設時代からの特徴的な設備ですので、その形状を活かしたいと考えました。

・シンプルな階段状のベンチから、お好みに合わせて多様な姿勢でサウナ体験ができるベンチレイアウトに組み換え
・ガス遠赤外線式ストーブ2基から、片側をロウリュ対応の電気ストーブ2基と交換し、合計3基のストーブに強化
・電気ストーブ2基は交互にオートロウリュできるよう給水配管、ロウリュ前の石焼きモードを備えたHARVIA製
・ロウリュの蒸気が広い室内に行き渡るようオートロウリュ時に送風機(パンカールーバー)作動
・高低差で上下の温度差が大きくなることを解消するために、天井裏にダクトを設置し、ファンの運転によって上下の空気を定期的に強制循環

といった仕様にしています。

強制循環の効果は予想以上で、下段から最上段までそれぞれ充分な体感温度となって、頭部と足の温度差はどの段でもほとんど感じません。

これは理想的なサウナが爆誕か…?と思ったのですが、ひとつ大きな問題が出てきてしまいました。

ストーブや石張りの壁面、座面に迫る対流促進形状の天井など部屋全体からの輻射熱と、対流する熱い空気によって、床面まで通常以上に熱せられているため、サウナ室内を歩くときに足の裏がかなり熱くなってしまうのです。

温度の問題だけでなく、歩数の問題もあります。サウナ室中央を縦断するステップは11段。そんな広い室内を歩き回るので、それだけ熱さを感じる時間が長くなってしまいます。これは前施設時代からも言われていたようで、大型タワーサウナの宿命的な問題のようです。

中には足の裏が火傷するほどの熱さだった、と苦情を言われる方もいらっしゃるため、これは放置できない問題と考えて、各種対策を行ってみました。

・人が出入りする度に冷気が流れ込むように、サウナ前室のドアを常時開放
・サウナ室床全面にサウナマットを敷き詰める
・敷くマットはタオル地から毛足の長いマットなどいろいろ試す
・サウナ室温度設定、オートロウリュの頻度と水量のバランスを調整
・強制循環ファンの運転間隔を調整

といったサウナ室のセッティングの調整です。

しかし、その結果は連日のように「サウナが熱い」「サウナがぬるい」「ロウリュが弱い」「ロウリュが熱すぎ」と多種多様なご意見の嵐。

しかも、「足の裏が熱い」という声もまだなくなりません。

当面の対症療法として、サウナ室入り口に氷水バケツを設置し、足の裏をすぐ冷やせるようにしたり、サンダルを並べて、足の裏の熱さが不安な人に履いてもらったりと試行錯誤しているところです。

現時点ではまだ明確な答えが見つかったとは言えない状況ですが、きっとサウナファンの皆様にも満足度が高く、それでいて足の裏が熱くないセッティングがあるはず、と信じています。

今日もサウナ設備業者様に来ていただき、オートロウリュの制御盤を調整しました。しばらくは1時間に4回、15秒のオートロウリュ噴射で経過を観察します。

他にはない独特な設備ですので、他にはない苦労があるのも仕方ないことと思っています。いつかベストセッティングに落ち着くまで、見守っていただければ幸いです。

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